手作りごはん

一般成犬用

全体の 60~70%は動物性食品(肉類・魚類)とし30~40%が野菜、穀類は消化しにくいので10%以下にしましょう。肉類の種類や部位によっては脂質(油)を加えます。

ただし、1日もしくは2~3日のメニューを考えて全体としてバランスが取れていれば良いのであって、毎食きっちり測らなければいけないと言うほど厳密なものではないのです。

食事の量については、以下の表を目安とし犬種・性別・活動量に応じた個々の栄養要求量を考慮に入れ、便の状態や食欲・体重を見ながら時間をかけて調節します。市販のフードから手作り食に変える時に下痢が起こることがあります。これは、腸内環境の変化による一時的なもので、多くは心配する必要はありません。

一日量目安 体重(kg) ~5 ~10 ~15 ~20
肉(g) 70~100 100~150 200~300 300~400
レシピ 01 レシピ 02
あじ:刺身用1尾
にんじん/大根/ブロッコリー:ゆでて刻む
牛:片ブロック生
脂の乗り具合でエゴマ油などを載せる
カリフラワー/きゅうり/キャベツ:生刻む
レシピ 03 レシピ 04
とり:手羽元(生)
スプラウト/にんじん/米:
米は5~7分かゆ程度
ぶた肉:モツをゆでたもの
にんじん/ブロッコリー/米

サプリメントについて

・カルシウム
 卵の殻を乾かして粉にすることで、手軽なサプリメントとして使えます。

・ビタミンC・E
 抗酸化物として週一回はサプリメントから摂取することが大切です。

・ミネラル
 昆布などの海草に多く含まれます。

一般成猫用

動物性食品の割合は70~90%と多く、10~30%が野菜、穀類は5%以下にしましょう。

野菜や穀物は、フードプロセッサーなどで細かくするとより消化しやすく口当たりも良いので食べやすいようです。また、猫は体内で合成出来ないビタミン群があるため、サプリメントでの補給が大切です。

猫は、犬に比べて食事に対するこだわりが強く、手作り食へ移行するには根気が必要です。猫は味覚が繊細でこだわりがあるため、初めはキャットフードとの混合ご飯から始めてみるとうまくいくことがあります。

量は、体重5kgで100~150gの動物性食品が目安です。

レシピ 01 レシピ 02
あじ:刺身用半身
ブロッコリー/スプラウト:生刻む
牛:肩ブロック生、牛脂と混合
アスパラ/人参:ゆでて刻む
レシピ 03 レシピ 04
とり:手羽元(生)
ブロッコリー:ゆでて刻む キャベツ:生刻む
ぶた肉:モツをゆでたもの
ブロッコリー:ゆでて刻む
米:5分かゆ程度をジューサーにかけたもの


サプリメントについて

・脂質
 猫にとって必要な栄養源のひとつです。
 肉などはすこし脂肪の豊富な部位を選ぶようにします。
 また、シソ油・エゴマ油・コーン油などの植物性油も小さじ一杯程度あたえましょう。

・ビタミンC・E
 抗酸化物として週一回はサプリメントから摂取することが大切です。
 特に、魚を与える場合には必ず添加します。

・タウリン
 猫が合成出来ないアミノ酸で、必ず食事から補う必要があります。
 タウリンは肉類・魚類に多く含まれていますが、
 熱に弱く加熱調理で失われてしまいます。
 火を通した食事を与える場合には一日25~50mg程度添加します。

腎臓疾患用 腎不全

15歳を超えた犬・猫の実に10%以上がこの疾患を抱えていると言われています。慢性に経過した腎臓病の多くは、緩やかな症状の進行ゆえに発見が遅くなる傾向があり、深刻な状態で来院するケースが目立ちます。

腎臓細胞は一度破壊されると二度と再生しないため、治療の目標は、正常な腎細胞の維持になります。腎機能を維持するための薬は残念ながら存在しません。よって、治療は腎臓の負担を軽減する為の対症療法になってくるのですが、もっとも効果的な方法は食事です。腎疾患を抱える犬・猫の食事については、いくつかのポイントがあります。

1. リンの制限
リンには腎毒性があり、リン酸結晶が形成されることで腎組織にダメージを与えます。慢性腎不全で起こってくる高窒素血症の状態では、高リン酸血症になりやすいため、病状に応じたリンの制限が必要です。

2. たんぱく質の選択と制限
たんぱく質の中には、腎臓で排泄しなければならない窒素を含んでいます。当然、腎機能の低下した状態では窒素は排泄できずに体内に毒素として留まってしまいます。よって、窒素の含有量が少ないたんぱく質が理想です。たんぱく質には、動物性と植物性の2種類が有り、植物性たんぱく質は、窒素の含有量が少ないのですがアミノ酸などのいわゆる栄養も足りないため、両方をうまく組み合わせることが大切です。

3. 塩分制限
血圧の上昇は、腎臓への血流量を上昇させることで腎障害を悪化させる要因となります。食事中のナトリウム(塩分)を制限することは血圧を正常に保つ為には必要不可欠です。市販のドックフードやキャットフードは嗜好性を上げるために塩分を多く含む傾向があり、ナトリウム制限には不向きな食事と言えます。

これらのポイントをふまえ、ひとつのレシピをご紹介します。

犬(体重5kgで日に2回食の場合) 猫(体重4kgで日に2回食の場合)
牛赤身70g・ゆで卵半個・野菜30g 牛赤身50g・ゆで卵1/4個・野菜10g


牛赤身
ウサギ肉などと比較して牛肉や鶏肉はリンの少ない肉類です。レバーなど、部位によってはリンの多い所もあるので、要注意です。
ゆで卵
卵にはリンが多く含まれて居ますが、良質のたんぱく質を含むため、必要に応じて使います。
野菜
ゆでて刻んであります。今回は、大根・人参・蓮根・小松菜・しいたけを刻んで茹でたものを使いましたが、物によっては、生でも大丈夫です。きゅうりなど、利尿効果のあるウリ科の野菜も腎臓には適している野菜です。

カルシウム
カルシウムとリンは体内でバランスを取って存在しています。リンを制限すると共に、適度にカルシウムを摂取しましょう。今回は、卵の殻を乾燥して粉にしてふりかけています。

ビタミン
慢性腎不全の場合、腸からのビタミン・ミネラルの吸収が阻害されると共に、尿中への排泄が増加するため、いくつかのビタミンが不足しがちになります。食事には、ビタミンE・C・B・Kを積極的に摂取し、ビタミンDの過剰摂取は腎臓に負担をかけるため、避けます。今回は、脂肪酸とビタミンEのサプリメントを使用しました。



※写真は院内の猫・犬用に作ったものです。量や食材の大きさは個々の状態に合わせて変えてください。病気療法のための食事や体重管理メニューが必要となる場合もありますので、詳しくは当院までお尋ね下さい。